ほっぺにひまわり
またまた三田織先生です
僕らの食卓、山田と少年、と読んできて、さて長編作品でコミックス化してるのは(今の所)残すところ「ほっぺにひまわり」のみ…
表紙絵からも三田さんの可愛らしい絵柄が興味をそそるんですが、
受けの子がぽっちゃり…という点が気になって躊躇してました
が!やはり、読んで良かったです!
ほっぺにひまわりの他に、深い森という作品も収録されてます。
どちらも違う味があって非常に良かったです。
甘ーいチョコと苦いコーヒーみたい。
どちらかと言うと、私は重めの話が好きなので「深い森」の方が好みだったかな…
今まで読んできた三田さんの漫画と少し違って新鮮でした。
以下、2つのお話の感想をもう少し詳しく書いていきたいと思います。
ネタバレ含みますので未読の方ご注意を〜。
ほっぺにひまわり
あらすじ
体重90kgのぽちゃかわ男子!
皆から愛される(イジられる! ?)ぽっちゃり体型のヨネちゃん。
ある日、憧れのクラスメイト・アライ君から「ユーレイを成仏させる為に女装してほしい」なんてお願いをされて! ?
愛嬌たっぷりのヨネちゃんと、イケメンムッツリ・アライ君のぽよぽよスウィートラブ
(Amazon作品内容一部を引用してます)
感想
舞台は男子校なんですが、受けのヨネちゃんの立ち位置が絶妙でした。
ヨネちゃんの、卑屈すぎないキャラクターがすごく良い。周りのみんなが多少身体のことをいじっても気にしすぎずニコニコポヨポヨ。
クラスメイトも過剰にいじるわけでもなく仲良しで、ヨネちゃんをAV鑑賞に誘ってきたり(笑)すごく平和で読んでいて楽しかったです。あー高校生楽しそう!
アライ君がヨネちゃんを好きになった経緯がよくわからなかったんですが、好きになる理由とかそんなの語らなくても、アライ君は真っ直ぐヨネちゃんを好きで、それが揺るぎなくて、読んでいてほんとに爽やかな夏の風が吹いてきそうな(笑)素敵なお話でした。
アライ君に思いを伝えたあと、ひまわりの着ぐるみの下で泣いていたヨネちゃんにうるっときました。
やはり三田織さんの漫画の温かさには涙腺が緩くなるなー。
高校野球児好きには、アライ君の野球部ユニフォーム姿はときめきますよ…!
おまけで、大人になった2人が登場するんですが(本編エロありませんがこっちでは少しあります)
よよよよヨネちゃん?!?!というくらい別人です(笑)
これはこれで、この2人の話が読みたくなる!なんか別物として捉えないと心の整理がつかないくらいヨネちゃん別人でした。たしかにエロくなった…(おい
深い森
三田織さんの漫画はほのぼの系のものしか読んだ事がなかったので、衝撃を受けた作品でした。
かなり切ないですこの話。
律の事が頭から離れない遥が、かっぱ巻きをくしゃっと握ってるコマなんか、
もう、胸がいっぱいになっちゃいました。自分の胃の中にもかっぱ巻き入ってる錯覚起きるくらい感情移入して切なくなっちゃった。
早苗さんに本当の事がバレて、今まで積み上げてきたものが崩れてしまった遥が、
うまくやれなくてごめん と漏らしたあとの律の表情が印象的でした。
遥が自分の代わりに色んなものを1人で背負わされ、苦しんできたんだと悟ったような表情で。
そのあと初めて律の方から遥を抱きしめ受け入れるんですが、
きっと律にとっては遥はずっと甥っ子の、可愛い遥なんだよなぁ。
でも遥を救うにはこうするしか選択肢がないんだもんなぁ。
あああどうしてこうなったんだほんと。
そしてそこから、だだだっと駆け抜けていくようなラストまでの展開も素晴らしかったです。
仄かな柔らかい光が差し込んでいるような、最後のシーンが大好きで
何度も何度も読んでしまいます。
それにしても、深い森っていうタイトルが、すごく合ってますね。
Warpaintの曲が聴こえてきそう。(知ってる人いるのかな)