気のすむまでバケツ2杯分くらい

漫画の感想を書いていきます。主にBL 漫画 たまにBL 以外の漫画と小説も。

風花、つもりつもる

 今回は、こめり先生の「風花、つもりつもる」です。 

風花、つもりつもる。 (MARBLE COMICS)

風花、つもりつもる。 (MARBLE COMICS)

 

こめり先生は2016年の年末あたりに、「話せば長い2人の話」というBL漫画も発売されていて、こちらもとても面白かったので後々レビュー書きたいと思ってます。

風花〜は2年以上前の作品ですが、私が初めて読んだこめり作品で、思い入れもあるので先にこちらから書いていこうと思います〜

 

あらすじ

俺とお前でどんな恋愛をするだろう

居心地の良い大学の後輩宅に入り浸って半年。
ひょんな事から喜多川は、その部屋の持ち主・小泉がゲイだと知る。
衝撃を受けたものの、幸せそうな姿に羨望すら覚える喜多川だったが、ある日、小泉の恋人・槇から「相談がある」と呼び出され! ?

2人の色恋沙汰に巻き込まれながら、自身も小泉への感情に振り回されてゆく喜多川&小泉のグローイングラブ・ストーリー

(Amazonの作品紹介より引用してます)

 

感想(以下、ネタバレを含む内容となってます。未読の方ご注意を)

 表題作は前編、中編、後編と分かれていて、その他に短編が3つ入っている構成です。今回は表題作のみの感想です。

思い入れがあるーと書きましたが、私にとって何故だかこの風花〜は何度も何度も読んでしまう不思議な漫画なんです。読後、何故だか毎日小泉の事が頭から離れなくなったりもしました(どうしたんだほんとに。)

全体的に絵柄は可愛らしい感じで、この絵柄と大学生の話っていう所がマッチしてる気がします。また、登場人物同士の会話が、読み手にスッと入り込んでくるんです。キャラがすごく自然に息をしてる感じがして良いんですよね〜。

 こめり先生の漫画は、わりと受けの性格が潔いというか、スパっとしてる?のも魅力だと思いますどうもうまく言葉で表現できない残念な語彙力…)

この漫画に登場する受けの小泉も、不倫してるし嘘ついてまで恋人に縋り付いてはいますが、女々しさは感じないです。自分を受け入れてくれる人に依存してしまうんだろうなと…。

喜多川はノンケなんですが、最初は小泉の部屋が居心地いいから入り浸り、ゲイで不倫してる秘密を知り面倒に巻き込まれながらも小泉を避けたりはしない。だけど、結局彼は、小泉のことを好きになったのか…?という疑問が残ります。

欲情(!)はしたけど好きになったという描写は見当たらないし…。

タイトルにもある通り、だんだんと小泉への気持ちがつもりつもって溢れ出して最後の「俺と付き合ってみろよ!」というセリフに至るんですが、彼の小泉への気持ちは曖昧なまま終わります。

でも小泉がこれ以上苦しまないで欲しいって思ってそこまで言ってくれちゃう喜多川さん、ほんと優しいな…!!

 

 ちなみに、風花、つもりつもるには「腹を割って話そう。」という続編にあたる同人誌が2冊出ております。おそらく今は販売していないので、中古の同人誌を取り扱うお店を探すしか無いのかも…

 疑問だった喜多川→小泉への気持ちはここで語られています。

出会ってから4年、結局小泉のことが好きなのかよくわからないまま、でも放っておけないでいる喜多川さん。なんとなくそれを分かっている小泉が切ないけれど、思いが更に積もり積もってお互いが大事な存在になったら良いなぁと妄想してます(私が)

不満を言いながらサキイカ食ってる小泉と、マイペースにど●兵衛食べる喜多川さんにほのぼのします。この2人可愛い。

風花〜の本編にエロは無いですが(キスのみ)、腹を割って話そう2はエッチする話です(風花〜巻末のセーラー服ネタの続き)

…が、喜多川さんはヘタレだし、小泉はやはり色々と潔い(笑)

 

同人誌の感想が多くなってしまった!

時々思い出しては、2人の会話を読み返したくなるほのぼのとした作品でした!

ネオンサイン・アンバー

 今回は、おげれつたなか先生の「ネオンサイン・アンバー」です!

 

ネオンサイン・アンバー (ディアプラス・コミックス)

ネオンサイン・アンバー (ディアプラス・コミックス)

 

 あらすじ

床ごと鼓動しているようなクラブで緒方(おがた)は、客のひとり、サヤと出会った。サヤはいつも違う女を連れた、アンバー色の肌をしたギャル男。正直、苦手なタイプだった。ところが、偶然サヤに金を貸し、お礼に手料理の朝食をおごってもらうことになる。真夜中に見る軽薄なサヤとはちがう、ていねいに作られた食事。緒方は加速度的にサヤに惹かれるが――。
「ごめん」というひとことが胸にささる、おげれつたなかの真夜中生まれの恋の物語!  

 (Renta!の内容紹介をそのまま引用してます)

 

 感想

(以下、ネタバレを含む内容となってます。未読の方ご注意を) 

 

舞台はクラブです。

私、クラブって行ったことないし多分この先も行かないと思うんですが、ビップとかお立ち台とか、ロッカーの鍵無くしたら5000円とか、へーこういう感じなのかぁふむふむと、新しい世界を覗くような気持ちでした。女性専用の席なんてあるんですね。 

 

緒方はクラブのホールのスタッフなんですが、仕事中でもお客の女の子と飲んだりしてるっぽいです。ほ〜、そういうのもアリなんだな。

そうこの緒方が、けっこうイケイケなんですよね〜

のちに好意を抱いたサヤに対しても、かなりぐいぐいいきます。浴衣のサヤへの迫り方なんか半端なかったですねー。

 

そういえばおげれつたなかさんて、既刊のエスケープジャーニーでも受けがギャル男系だったしそういうキャラをお描きになるのがお好きなのかな…?

サヤは学生時代、イジメを受けた事をきっかけに、以来、人の顔色を伺うのが得意になってしまった過去を持つんですが、この設定切ないですね…。

人の表情に敏感なところが、緒方がサヤへ関心を抱くきっかけになるんです。

 

先程もちょっと触れましたが、緒方からのアプローチに対するサヤの反応がいじらしくてほんと可愛いかった…

ストーリーは王道といえば王道なんでしょうけれど、

良かった…!ほんとに良かった!幸せなって!!!って心から思うんですよ。

 

だから緒方がサヤに、「サヤが人を好きになるのはキモいことじゃない」って言ったとこ、泣きながら読んでました。

 

最後の方は緒方くんも表情豊かになって、

あ〜2人とも幸せそうで良かった。

 

補足•その他の見所

 

サヤの部屋が和室で、あの何も無い感じが良かったなぁ…ほんとにクラブに行く以外に、居場所を見つけられていない人なんだなっていうのをリアルに感じ取れました。

 

サヤと緒方以外の登場人物は顔が書き込まれていないんですが、

きっと、わざとそうしてるんでしょうかね。

メインの2人以外はあまり印象をつけないように描いてるのかも。

でも、サヤとLINE交換してたバーテンダーの彼は実は男性が好きなのかな…

って、顔が無くても十分私の印象には残ってますが(笑)

 

 

 

僕らの食卓

まずは…

 

ブログでBL漫画の感想をどうしても書きたい…!

という思いに至るまで私を突き動かした作品、

三田織先生の「僕らの食卓」

のご紹介&感想を書かせてもらいます!

僕らの食卓 (バーズコミックス ルチルコレクション)

僕らの食卓 (バーズコミックス ルチルコレクション)

 

  

今年の1月にコミックスが発売されたこちらのBL漫画。

私は三田織さんの作品を読むの、この漫画が初めてでした。

 

Amazonのレビュー25件、全て★5つ…!!

 

いやぁすごい高評価ですね。

でも読んでみると高評価なのは超納得です。

 

あらすじ(Amazonの説明をコピペしたものです)

人と食事をするのが苦手な豊が、ある日公園で出会ったのは歳の離れた兄弟・穰と種。一緒にご飯を食べるようになった三人は…。

 

感想

(以下、少しネタバレを含む文章となってます。未読の方ご注意を。。)

 

 

 

私はこの漫画を既に何十回と繰り返し読んでいるんですが(笑)、

個人的に、読むたびに毎回泣いてしまう、涙なしに読み進められない箇所がありまして…

 

それは、兄の穰が、種のために栄養バランスの取れた食事を作らなければとは考えるものの、

時々少し疲れるというか…と豊に打ち明けるところ。

 

まず、なんて弟想いなお兄ちゃんなんでしょう…  

わりと現実でも、下に弟妹いる人って、

ちょっと大きくなると下の子のために頑張る人、いますよね。

私の友達にも妹の学費のためにバイトしてる子いたし、、

末っ子として育って来た身としては、信じられないくらい立派だなぁと思うんですが、こういう穰くんみたいなお兄ちゃんて、現実にもいそうだなあって。

三田織さんの他作品「山田と少年」の少年・千尋もがんばり屋さんですしね。

ああ三田さん、頑張るお兄ちゃんを描くの上手いなぁ。。

 

そしてその悩みを聞いた豊が穰に言った、

「完璧なごちそうがあっても、それを笑って食べられない方がつらいと思う」

 

これ…このシーン…

もう何十回と読んでも泣きます。  

 

いやー私事なんですが、私自身今ちょうど、小さい子供を育てているところでして

やっぱり栄養バランスとか考えて、ご飯作るわけですよ。

でも、まだ赤ちゃんだから。

全然食べてくれなかったり、食べたくないって大泣きされたりする時期もありましたよ。で、ついイライラして、怒っちゃったりするんですよねぇ…

食事中、全然笑えてなかったなぁ…って。

そうだよね、お母さんに怒られながら食べるご飯なんて全然美味しくないよねぇ。

…なんて、このシーン読んだ時に思い出したりして、

そしたらぶわーっと涙が出てきました。

 

なんか私、大事なこと忘れてたなぁ。

こんな素敵なシーンがある漫画、BL云々の前に、漫画として素晴らしいというか、

久しぶりに漫画に はっ!!っとさせられました。

この感覚久しぶり。心にじわじわ染み渡ります。

 

更にもう一つ、私が涙なしに読めない部分。

 

物語終盤、大切な人が出来て幸せな反面、

ふとした事をきっかけに、それを失う怖さを感じてしまった豊。

 

BL漫画読んでて、大切な人を失うのが怖い…!っていうの、けっこう

よくある心理描写な気がするんですが、

私はあんまりこういう展開、モノによっては面倒くさいやつだなーとか思っちゃう時もあるんですよね… わかるけど、ちょっと在り来たりな感じもするし。

 

でもねでもね、今回ばかりは、そんな風には思いませんよ…!

だって豊ですもん。

家族を失う悲しみ(あまり覚えてなかったとしても、)を知っているし、

家族を失った後の空虚な気持ちをきっと、ずっと持ってきた人だから。

そう思ってしまうのも頷けます。

さてどうやってこの怖さを、この気持ちを、豊はどうしていくのか…

 

私、初読みのとき日曜の昼間ですよ

子供のお昼寝の傍らで、おとんと豊の会話を読んで、

声を抑えながら大泣きしてましたよ。

 

さっきも書いたけど、ほんとこの漫画はBL云々の前に 

人生で大事な事をたくさん教えてくれる漫画だと

思います。

羽海野チカさんの3月のライオンとかに近い印象。読後感。

そして幸せな余韻に浸れる、素敵な漫画です。

絵柄も可愛いし…というか絵が上手!!

BLじゃなかったら旦那に読んでもらいたかったなー。

いやでも、そんなにBL要素多くないから旦那でも読めるかな…?

 

補足で、

他に印象に残ったところ・見所

 

穰の、「まぁ俺の好みじゃないけど…」

あのさり気ないカミングアウト?の仕方、けっこう好きでした(笑)

 

弟の種くんは言わずもがな、可愛いです。

お洋服も可愛いー!クマ耳の帽子。。( ´ ▽ ` )

 

数年後のおまけ漫画も読んでて幸せでした〜

いつまでも読んでいたいような、ずっと浸っていたい世界観。

読んで幸せな気持ちになれる事間違いなしだと思います! 

炊飯器の蓋の裏…うん、洗うよね…

でも時々…いやけっこう洗い忘れるかな…うん。。笑